開幕戦のオーストラリアGPではハッキネンのポールポジションからマクラーレン2台以外の全車を周回遅れするデビューを飾りました。これに危機を感じた当時フェラーリの監督だったジャン・トッドが抗議し、翌第2戦のブラジルGPからマクラーレンが搭載したブレーキ・ステアリング・システムを自主的に撤去したものの圧勝してしまいます。まさしく空力デバイスとエンジンパワー、ブリヂストンタイヤが相まった瞬間でした。ただニューウェイの作る車は「繊細で壊れやすい」のイメージ通り、ギアボックス、ブレーキ、エンジン、ショックアブソーバーなどがトップ走行中に壊れ、順位を落としてしまうレースもありました。信頼性のあるフェラーリ&M・シューマッハにジリジリとアドバンテージを縮められてしまいます。速いが扱いがナーバスなこのMP4-13 VS 大器晩成型で壊れないF300でした。チャンピオン争いはポイントでハッキネンが若干有利な立場で最終戦の日本GPまで続き、予選はM・シューマッハがポールポジションを獲得。しかし当時プロストのトゥルーリのエンジンがストールし、エキストラフォーメーションをハイペースで走行したことによるオーバーヒートで今度はポールのM・シューマッハがストールしてしまいます。最後尾になり、2位スタートのハッキネンは悠々のスタートから、M・シューマッハがタイヤバーストによるリタイアでドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンをモノにしました。
McLaren Mercedes MP4/13。メルセデス・ベンツFO110G。V型10気筒・バンク角72度。排気量:2,997cc(推定)最高回転数:18,000rpm以上(推定)。最大馬力:760馬力以上(推定)最低車体重量:600kg(ドライバー含む)